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環境保全活動への取り組み 環境にいい地域づくり
2.環境にいい地域づくり

 「水俣病」という世界に類を見ない産業公害を経験した水俣だからこそ、徹底的に環境にこだわります。自治体のISO14001に市民監査を取り入れ地域全体に環境モデル都市づくりのシステムを構築し、環境にいい地域づくりを実践します。
(1)水俣市環境ISO(ISO14001自己宣言)への移行

 水俣市は、1999年2月23日、環境に配慮した施策を展開する事業所や自治体に与えられる環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得しました。
 県内自治体では初の取得で、全国では6番目の取得となりました。 水俣市の環境マネジメントシステムは、
  1. 環境モデル都市づくりの推進
  2. 地球温暖化に対する省エネルギーの推進
  3. 市役所で使用する資源の消費削減・リサイクル推進の3部門
からなり、ごみ分別・リサイクル、語り部による水俣病の教訓発信など、82項目を環境マネジメントプログラムに掲げ、実践しています。
 今まで構築したシステムを十分に活かしながら大幅な改善(見直し)の手法として「自己宣言」の表明を2003年9月30日に実施いたしました。

水俣市環境ISOロゴマーク

・環境マネジメントシステム(ISO14001)とは
スイスに本部を置く国際標準化機構(ISO)が定めた、環境マネジメントシステム(14001)や環境監査(14010)などに関する国際規格で、ISO14000シリーズと総称されます。なお、日本工業規格(JIS)環境マネジメントシステム−仕様及び利用の手引中、1、適用範囲e)には、この規格との適合を自己決定し、自己宣言する。ことができると明記してあります。
 これまで水俣市役所は、第三者である認証により、外部審査を受け国際規格であるISOの認証(登録)を行っていました。しかし、自己宣言では、市役所の公共サービス提供の相手方である市民を中心に監査チームを編成し外部監査を実施します。今までの規格に基づく監査よりも環境政策(取り組み)の成果を確認する監査が中心になります。
 今後、ISO14001のシステム(P−D−C−A)のサイクルを遵守し、特に法規制には配慮し最新の情報を取得し、自ら厳しくチェックし、市役所が市民の監査を受けることに加えて、市民全体に環境ISOの取り組みを広げるとともに、家庭でも環境に配慮した取り組みを推進します。

★水俣市環境ISO(ISO14001自己宣言) のフロー図★

水俣市環境ISO(ISO14001自己宣言) のフロー図


(2)学校版環境ISO−環境にいい学校づくり

 環境にいい学校づくりを進めるために、市内の全小中学校(16校)が、「学校版環境ISO」に取り組んでいます。
 この制度は、水俣市が環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得したことをきっかけに、市民への普及を図るため、2000年に市が創設したものです。各校で生徒と教師が役割を分担して、「電気・水・紙を大切に使う」、「給食の残飯・ごみを減らす」といった独自の行動目標の設定、宣言、記録をし、見直すといった内容で、現在では水俣市内の全小中学校(16校)が学校版環境ISOの認定をうけており、います。

環境にいい学校づくり図解


(3)保育園・幼稚園版環境ISO

 学校版に引き続き、保育園・幼稚園においても、水俣の海、山、川、それに大気を守り伝えていこうと、2001年に創設された制度です。
 園児にも取り組めるよう、環境にいい保育園・幼稚園づくりに関する簡易な行動を宣言し、それを記録し、必要に応じて見直していきます。
 現在、4園が認定されており、小さい頃から環境についての意識が高められる場となっています。

環境ISOに関する勉強会
環境ISOに関する勉強会
取り組み目標
取り組み目標


(4)旅館・ホテル版環境ISO

 保育園・幼稚園版環境ISOと同時期に創設された本制度は、水俣市内の旅館・ホテル側からの要望により創設されました。
 事業活動やサービスにおいて、環境汚染の当事者にならないよう水俣の海、山、川、大気への環境負荷を少なくし、また保全活動を行うために「ごみの分別をお客様に呼びかける」「シャンプーなどを詰め替え用品にするなど、使い捨て用品を削減する」等を宣言項目として掲げ、役割を分担のうえ行動を記録し、必要に応じて見直しを行い、新たな行動につなげ継続的に改善に改善しています。
 現在、6つの旅館と2つのホテルが認定されています。


(5)地域資源マップ

12区石坂川・石飛  1991年に、住民の自治的な組織として「寄ろ会」が市内26地区に設置され、「地域資源マップ」づくりが行われました。
 地域環境マップとは、ないものねだりではなく地域にあるものを探し、磨いていこうとするもので、ウナギ・カニなどの川の恵み、ワラビ・ゼンマイなど山の恵み、太刀魚・アジなど海の恵みに加えて、昔からある大きな木など地域の資源を再発見し、1枚の絵地図にまとめたものです。
 26枚のマップをあわせると、水俣固有の風土と暮らしが見えてきます。



(6)水の経絡図

環境方針  水俣市は、源流から河口までをひとつの市域に持つ水俣川の流域のまちです。
 そこで、自分たちが普段何気なく飲んだり、使ったりしている水は、どこから来てどこに流れていくのかを調べたものが、「水の経絡図」です。
 1994年に、市内26地区にある「寄ろ会」が、各地区の水の行方を調べ、1/2,500の地図にわかったことを書き入れていき、それぞれをあわせると、水俣市全域の水の流れが完成するという仕組みになっています。
 生命の基盤となる海・山・川を守ることを目的に、森から始まり、生活の中で使った水をきれいにして、川や海に戻すことによって、水俣の水めぐりを良くしようという願いが込められています。



(7)ビオトープの創造

環境方針  水俣市では、1998年度石飛地区、1999年度無田湿原にスポットをあて、自然環境を保全し、その周囲で暮らす人間との共生を図ることを目的に、「野生生物の生息空間=ビオトープ」の整備や構築を行っています。
 なかでも、1998年度整備の石飛地区は、減反された田にホタルが飛び交い、希少種のハッチョウトンボやアキアカネが生息し、小川にはアブラハヤが泳ぎ、ヒルムシロなどの水草も多く、人々の生活と自然が共存する貴重な空間となっています。



(8)環境共生モデル地域の形成

 1999〜2001年度にかけて、地域住民自らが主体的に取り組む、環境共生型の地域づくり活動を推進ために、水俣市がモデル地区を公募・選定し、助成の一部を使用し、実施しました。

【久木野地域】
写真1 ・田援計画(でんえんプロジェクト)(1999年度〜2000年度)

 花も実もある棚田の里づくり、グリーンツーリズム、棚田音楽祭・石垣積みワークショップを実施。


【袋地域】
写真2 ・地域住民協働による「地域に開かれた小学校」創造事業(1999年度)

 地域の風土と自然環境などを見つめ直し、それらを生かした、地域に開かれた学校づくりを実施。


写真3 ・水俣と袋地区の特徴を生かしたグリーンツーリズム受け入れプログラム開発調査研究事業(2000年度)

 地域の資源調査を行い、袋地区の「ほとりの歳時記」を作成。


写真4 ・サラダたまねぎを素材として、体験型環境プログラムを創出するための調査・研究(2000年度)

 袋地域の安心・安全な農産物「サラダたまねぎ」を題材として、体験学習プログラムを作成。



【湯の鶴地域】
写真5 ・湯の鶴地域環境共生事業(1999年度〜2000年度)

 住民参加のワークショップで地域の未来について話し合い、地域資源の活用策等を検討。



【東部地域】
写真6 ・東部地域活性化推進対策事業(1999年度〜2000年度)

 環境に配慮し、地域の豊かな資源を生かした安心安全な農産物の生産や、都市農村交流に向けた調査を実施。



【石坂川地域】
写真7 ・石坂川環境協定活性化事業(2000年)

 地域資源の活用で生活環境を保全し、地域の活性化につなげるため、生ごみ堆肥化、木・竹炭の活用を実施。



【市街地域】
写真8 ・環境に配慮した商店街研究事業(2001年度)

 空き缶回収機の導入をはじめ、環境に配慮した商店街の研究を実施。



写真7 ・「環境と共生したまちづくり〜水俣環境共生モデル地域形成助成事業・事例集〜」を作成



(9)環境学習都市づくり
資源ごみの分別を体験する修学旅行生 ・環境教育旅行の受け入れ
 水俣病の歴史を踏まえ、住民間のもやい直しや環境モデル都市づくりを推進する水俣は、次世代の教育旅行(修学旅行)に必要な要素を備えています。
 今後は、環境教育旅行の受け皿の整備として、人的ネットワークと教育プログラム(資源ごみの分別の体験、エコタウン施設見学会等)などが、有機的に連動・機能するシステムの構築を目指します。

・グリーンツーリズムの推進

 水俣市では、地域全体をフィールドとして、グリーンツーリズムの推進を図っています。
 1999年4月に、農林業従事者、行政区長等9人で「水俣グリーンツーリズム研究会」を発足させ、水俣固有の風土と暮らしに根ざした水俣型のグリーンツーリズムを築くために、情報の受発信、事業化に向けてのノウハウの確立を推進しています。
・水俣型グリーン・ツーリズムのパンフレット、報告書を作成

パンフレット
・第1回全国グリーンツーリズムネットワーク熊本大会の開催(2004年2月28〜29日)
 水俣の豊かな自然を生かしたグリーン・ツーリズムの取り組みを全国に情報発信するとともに、実践者のネットワークを構築するため、熊本県及び熊本県内の実践者による実行委員会を組織し、大会を開催。
分科会

分科会


(10)交通面での環境配慮

 水俣市では、便利さのみを追求するのではなく、環境にも健康にもやさしい乗り物として、「自転車のまちづくり」を推進しています。
 1997年12月の地球温暖化防止京都会議の結果を受け、2008年〜2012年の間に、わが国においては、温室効果ガスを6%削減するとの、法的拘束力のある数値目標を定めることとなりました。
 国全体の削減目標を達成するために、自動車を利用する国民一人ひとりがその利用を控えることは重要であり、本市における自転車のまちづくりも、地球環境問題の解決に、少しでも貢献しようとするものです。
(11)新エネルギービジョン

 水俣市では、「環境モデル都市みなまた」を実現し、身近なところから地球環境問題の解決に貢献していくため、エネルギー問題を重要な課題としてとらえています。
 そこで、市民と行政が一体となって、二酸化炭素の排出を抑え、地球温暖化を防ぐための取り組みを明らかにするため、1998年3月に「新エネルギービジョン」を取りまとめました。
 ビジョンには、省エネルギー対策や公共施設への新エネルギー導入について、具体的な取り組みの計画が盛り込まれており、これまでに、公共施設における太陽光発電の導入や消費電力の抑制、ハイブリッドカーの導入を行ってきました。
袋小学校


(12)エコタウンプラン

 エコタウン事業とは、先進的な環境調和型のまちづくりを推進するために、1997年に創設された通産省(現:経済産業省)と厚生省(現:環境省)の連携施策で、地域の特性に応じて作成したプランが承認されると、総合的・多面的な支援が受けられます。
 水俣市では、1999年6月に推進本部を設置し、エコタウン構想差別化(先進性・モデル性)の方向性の協議を開始し、プラン策定を行い、2001年2月にプランの承認を受けました。
 現在、家電リサイクル施設、ビンのリユース・リサイクル施設、使用済オイルリサイクル施設、し尿等を原料とした肥料製造施設、廃プラスチック複合再生樹脂リサイクル施設が整備され、今後もプランに基づきながら事業の推進を図っていきます。

水俣エコタウンプラン承認証
水俣エコタウンプラン承認証
総合リサイクルセンター(生活支援工房)
総合リサイクルセンター(生活支援工房)